刀豆(なたまめ )初秋
【子季語】
鉈豆/たちはき
【解説】
熱帯アジア,熱帯アフリカ原産で,日本には江戸時代初期に伝来 した豆科の蔓性一年草。莢が刀・鉈を連想させることからこの名がついた。莢は、長さが三十センチメートル、幅五センチメートルにもなる。夏、白や薄紅色の蝶形の花を咲かせる。若い莢は煮 て食べ、成熟した豆は福神漬けに利用される。近年の研究によって、なた豆は肝腎を強化して、免疫力と病気に対する抵抗力を高めることがわかってきた。
【科学的見解】
熱帯地域原産のナタマメは、マメ科のつる性一年草で、西日本の一部の地域で生産されている。果実は、他のマメ科植物に比べ極端に大きく、三十センチメートルほどに成長する。大きく成長した果実は、まさに刃物の鉈のような感じである。近縁種としては、西インド原産のタチナタマメや日本の暖かい海浜に自生するハマナタマメなどが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
刀豆やのたりと下がる花まじり
太祇「太祇句選後篇」
なた豆や垣もゆかりのむらさき野
蕪村「夜半叟句集」