初日(はつひ) 新年
【子季語】
初陽、初旭、若日、初日の出、初日影
【解説】
一月一日の朝日。初詣とともに古くから、人々は正月一日、山や海から御来光を拝み、その年の幸福と平和を祈った。
【例句】
木に草に麦に先づ見る初日かな
来山「続今宮草」
菜畠の初日の客となれりけり
杉風「続別座敷」
しづかさの鍬にさし入る初日かな
蓼太「蓼太句集初編」
日の光今朝や鰯のかしらより
蕪村「蕪村句集」
ふるさとの伊勢なほ恋し初日かげ
樗良「樗良発句集」
隈もなき五尺の庵やはつ日影
闌更「此まこと」
土蔵からすぢかひにさすはつ日かな
一茶「八番日記」
大空のせましと匂ふ初日かな
鳳朗「鳳朗発句集」
初日さす硯の海に波もなし
正岡子規「子規句集」
霜とけて初日にけむる葎かな
村上鬼城「定本鬼城句集」
鼕々と昇り来りし初日かな
高浜虚子「五百五十句」
我が郷の富士といふ山初日かな
岡本癖三酔「癖三酔句集」
夢殿の夢の扉(とぼそ)を初日敲(う)つ
中村草田男「中村草田男全集5」