うそ寒(うそさむ)晩秋
【子季語】
薄寒/うすら寒
【解説】
秋半ばから晩秋にかけての、うすら寒い感じのこと。「うそ」は「薄」を意味する。やや寒、そぞろ寒と似たような寒さではあっても、気分的な違いがある。
【例句】
うそ寒や不断ふすぼる釜の下
才麿「椎の葉」
倶梨伽羅の小うそ寒しや雲の脚
路通「去来文」
うそ寒や親といふ字を知つてから
一茶「七番日記」
うそ寒も小猿合点か小うなづき
一茶「志多良」
うそ寒や蚯蚓の歌も一夜づつ
一茶「八番日記」
うそさぶく宵寝する子を見やりけり
成美「随斎句藻」
うそ寒の身をおしつける机かな
渡辺水巴「水巴句集」
うそ寒や畳にをどる影法師
富田木歩「木歩句集」
うそ寒や黒髪へりて枕ぐせ
杉田久女「杉田久女句集」