絵踏(えぶみ/ゑぶみ) 初春
【子季語】
踏絵/寺請証文
【解説】
キリシタン禁制の江戸時代、信徒が多かった長崎などで毎年正月から三月頃まで、幕府・奉行所が住民全員にキリストや聖母マリアの描かれた絵を踏ませた。信徒か否かを確かめ、踏まなかった者は処罰した。最初は紙や板だったが、大勢が踏むので、擦り切れにくいように真鍮製のものまで登場。開国後の一八五八年、オ ランダ人の要請で中止されるまで二百三十年間にわたって続けられた。
【例句】
苗代の泥足はこぶ絵踏かな
正岡子規「子規句集」
足袋はかぬ天草をとめ絵踏かな
青木月斗「時雨」