枸橘の花(からたちのはな) 晩春
【子季語】
枳殻の花
【解説】
ミカン科の落葉低木。中国中部が原産。高さは二メートルくらい で、刈り込んで生垣に利用されるが、暖地では山野に自生する。 刺が交互に長く伸び枝も多い。晩春に葉に先立ち直径四センチほ どの白色五弁小花を開く。
【科学的見解】
カラタチは、ミカン科の落葉低木であり、中国原産の植物で、古い時代に日本へ導入された。和名は、唐橘に由来する。導入後は、果実を漢方薬として利用されていたが、現在では病気に強いためか、ウンシュウミカン等の苗木の台木として利用されている。ミカン畑の近くを通ると、偶に台木から芽生えたカラタチを見ることができる。カラタチの花は、五枚の白色花弁を有し、葉が展開する前に開花する。(藤吉正明記)
【例句】
家鴨等に枳殻の花のこぼれける
志順「斧の柄」