三月(さんがつ/さんぐわつ) 仲春
【解説】
草木の芽吹きが活発となる頃だが、北国はまだ雪に閉ざされている。下旬には桜の花が咲きはじめる地域も多い。最近では多くの人が、花粉症に悩まされる月でもある。
【例句】
三月や冬の景色の桑一木
丈草「丈草発句集」
富士にそうて三月七日八日かな
信徳「一楼賦」
三月と文にかくのも名残かな
去来「渡鳥集」
大雨や花の三月ふりつぶす
一茶「七番日記」
三月や木曽のおくまで花のちる
蝶夢「東遊紀行」
三月や生毛生えたる甲斐の山
森澄雄「浮鷗」
いきいきと三月生る雲の奥
飯田龍太