山鳥(やまどり) 三春
【解説】
キジ科の野鳥。全長は雄で百二十センチにもなる大型の鳥。羽根の色は赤褐色で長い尾を持つ。雌は雄にくらべて小さく、羽根の色も地味である。木の芽や木の実を食べる草食性。あまり鳴かないが、繁殖期に雄は翼を激しく打ち振って雌を誘う。
【科学的見解】
ヤマドリは、キジ科の野鳥であり、本州から九州までの低山や山地の森林に留鳥として生息している。日本のヤマドリは、五つの亜種に分けられており、その一つに九州南部に生息するコシジロヤマドリが知られている。雄の場合は、目の周りの赤い班と長い尾が特徴的である。本種は春が繁殖期であり、地表面に浅い窪地を作り、その中に枯れ草を敷いて抱卵する。産卵期は四月から六月で、七個から十個程度産卵する。(藤吉正明記)