櫨紅葉(はぜもみじ/はぜもみぢ) 晩秋
【子季語】
櫨(はじ)
【解説】
櫨の木が紅葉すること。実も葉も真紅に色づく。山野に自生するが、その紅葉の美しさから、庭木や花材にも用いられる。
【科学的見解】
ハゼノキは、ウルシ科ウルシ属の落葉高木で、関東南部以西から沖縄までの温暖な地域の常緑樹林内に生育する。かつては、本種の実が和蝋燭の材料にされていたこともあり、広く栽培されており、その栽培個体から鳥が種子を散布することによって広がったものと推測される。本種は、秋が深まると羽状複葉の葉が赤に色付くことから、庭木や盆栽等に活用されている。近縁種としては、ヤマハゼが存在し、本種の枝や葉にはほとんど毛が無い一方で、ヤマハゼには毛が生えているために、その点で区別することができる。(藤吉正明記)
【例句】
畠から畠へ櫨のもみぢかな
吾友「ひこ鯛」
遠望に櫨の早紅葉稲筵
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」