山翡翠(やませみ)三夏
【解説】
カワセミ科の留鳥叉は漂鳥。鳩より少し大きい白っぽい鳥で頭の羽毛は長く冠状になっている。山間の渓流付近に棲み、水中に飛び込み魚をとる。白と黒の細かいチェック模様の羽毛が美しい。 水辺にいる涼しげな様子から夏の季語としている。
【科学的見解】
ヤマセミは、カワセミ科の鳥類で、九州以北の山地の渓流付近に留鳥として生息している。日本のカワセミ科の中では最大種となる。河川で魚を捉える同科の種としては、カワセミが知られているが、本種は河川において一部生息域が重なるものの、カワセミよりも上流域に生息し、棲み分けをしている。繁殖期になると、河川や湖付近の土の崖に嘴を使って一メートル程の横穴を掘り、その奥で産卵する。産卵期は三月から六月で、四個から七個程度産卵する。(藤吉正明記)