虎鶫(とらつぐみ) 三夏
【子季語】
ぬえつぐみ/鵺
【解説】
ツグミ科の鳥。ツグミ類の中で最も大きい鳥で全長三十センチ程。体全体がカーキ色で翼、尾羽を除き暗褐色の鱗状班がある。低地から山地のよく茂った林にすみ、みみずなどを昆虫を捕食する。 ヒーヒョーと口笛のような不気味な声でなくので、この声がすると人が死ぬという伝承もある。昔、京都御所で源頼政が射とめた怪鳥ヌエの正体はこの鳥であったとも言われている。
【科学的見解】
トラツグミは、ヒタキ科(旧ツグミ科)の鳥類で、日本全国の低地から山地の林で繁殖し、北日本や山地の個体は冬期に暖地や低地に移動する。産卵期は四月から七月で、三個から五個程度産卵する。樹上の木の又に枯れ枝やコケ等を用いて椀形の巣を作る。近縁種としては、鹿児島県奄美大島に生息する亜種オオトラツグミが知られている。(藤吉正明記)