寒蘭(かんらん) 仲冬
【解説】
ラン科の多年生草木で、日本南部の暖地に自生し、観賞用にも栽培される。葉は細長く、深緑色で光沢もあり一株に五、六枚でる。晩秋から初冬の頃、葉の脇から花軸を出し、総状花序に花をつける。淡黄、紅、紅紫、緑色等の花は、清らかな匂いがする。
【科学的見解】
カンランは、ラン科シュンラン属の多年草で、本州東海以西から琉球地域までの常緑広葉樹林に生育する地生ランの仲間である。冬に開花することからこの名がつけられた。花の色調の変化が大きいため、本種の園芸愛好家も多い。本種は、生育地の減少及び採取圧による個体数の減少により、現在野生個体は絶滅危惧種に指定されている。(藤吉正明記)