子の日の遊(ねのひのあそび) 新年
【子季語】
初子の日/子の日/初子/子の日の松/小松引/松引/子の日衣/子の日の宴
【解説】
古くから、正月初子の日に丘に登り四方を遠く望めば、陰陽の静気を得て憂いを除くとされていた。朝廷では紫野などの郊野に行幸し、若菜を摘み、小松を引いて、楽しい一日を過ごした。小松引とは、千年の齢をもつ松の若木を根から引き抜いて、その長寿を譲り受けようとするもの。
【例句】
子の日しに都へ行かん友もがな
芭蕉「蕉翁句集」
ひとり寝もよき宿とらん初子の日
去来「猿蓑」
手を添へて引かせまゐらす小松かな
几董「晋明集四稿」
掛り舟岬のまつに子の日せよ
白雄「雪の薄」
手ばたきの若き翁や小松引
梅室「梅室家集」
我庵は門松引て子の日せん
正岡子規「子規全集」