金蘭(きんらん) 晩春
【解説】
山麓や山地の林下で自生するラン科の多年草。高さは四十センチ前後。葉は基の部分で茎を包み、長い楕円形で互生する。一・五センチほどの花は開くと鮮やかな黄色で目を引く。花期は四月から五月にかけて。
【科学的見解】
キンランは、本州から九州に分布するラン科キンラン属の多年草である。花が鮮やかな黄色であることから、金色に見立ててキンランという名が付けられた。本種は、手入れの行き届いた雑木林で見かけることが多いが、近年雑木林の木(薪や炭)の需要が低下し、管理が行われなくなっている。そのため、本種の個体数も減少し、国の絶滅危惧種に指定されている。(藤吉正明記)