暮の春(くれのはる) 晩春
【子季語】
暮春/末の春/春暮るる/暮れゆく春
【解説】
春の終る頃という意味と春の日の夕暮れの二つの意味がある。行く春ほど主観的に使われず、とりとめなく用いられることが多い。
【例句】
どど川の春や暮れ行く葭の中
丈草「柿表紙」
ものひとついはで胡蝶の春くれぬ
千代女「松の声」
いとはるる身を恨み寝やくれの春
蕪村「蕪村遺稿」
狩倉の矢来出来たり暮の春
召波「春泥発句集」
還俗のあたま痒しや暮の春
几董「井華集」
伐り倒す楠匂ひけりくれの春
闌更「三傑集」
干潟遠く雲の光れる暮春かな
臼田亜浪「旅人」
天地に妻が薪割る春の暮
石田波郷「惜命」