呉茱萸の花(ごしゅゆのはな) 仲夏
【子季語】
かははじかみ/からはじかみ
【解説】
呉茱萸はミカン科ゴシュユ属の落葉小高木。高さは五メートルく らい。全体に毛が多く、独特の臭気を持つ。五月から六月にかけ て枝先に緑白色の五弁花を多数咲かせる。秋に熟す非常に苦い果 実は健胃剤などに利用される。
【科学的見解】
ゴシュユは、中国原産の外来植物で、薬用目的で栽培されるが、一部の地域では野生化している。本種は、雄花と雌花がそれぞれ別個体に形成される雌雄異株であるが、日本には雌株しか導入されておらず、種子は形成されないとのことであるが、地下茎で無性繁殖をしているようである。同属近縁種としては、ハマセンダンやムニンゴシュユが知られている。(藤吉正明記)