【解説】
冬の寒さが厳しい地方では、風除けや雪除けを家の周囲に施し、本格的な冬に備える。庭木なども雪吊や藪巻きがなされ、家屋敷全体が鎧ったようになる。これを冬構えという。
【例句】
山畑や青みのこして冬構へ
去来「裸麦」
古寺の簀子も青し冬構へ
凡兆「猿蓑」
一つ戸や雀はたらく冬がまへ
曾良「続雪まろげ」
一村は藪にこづむや冬構へ
野坡「裸麦」
あるだけの藁かゝへ出ぬ冬構
村上鬼城「定本鬼城句集」
奥山の芒を刈りて冬構へ
前田普羅「新訂普羅句集」
桐の実の鳴りいでにけり冬構
芝不器男「不器男句集」
倶利伽羅の四軒の茶屋や冬構
山口花笠「春夏秋冬」