紙衾(かみぶすま) 三冬
【子季語】
天徳寺
【解説】
紙を外被とした蒲団大の袋の中へ、打った藁を入れて蒲団とした。一種の藁蒲団。江戸時代の貧しい人達の寝具。傍題の天徳寺は、天徳寺の門前で売られていた事からの別名。
【例句】
紙ぶすま折目正しくあはれ也
蕪村「蕪村句集」
ごつごつと咳する人や紙衾
蘭更「半化坊発句集」
月うつる顔かくしけり紙ぶすま
蘭更「題葉集」
いついつは鹿が餌食ぞ紙衾
一茶「七番日記」
身ひとつのさうざうしさよ紙衾
蓼太「七柏集」
ひとりねや畳むもかろき紙衾
蝶夢「草根発句集」