冬枯(ふゆがれ) 三冬
【子季語】
枯る/冬枯道
【解説】
冬の草木が枯れ果てた荒涼とした景を言う。草や樹、一木一草の枯れのこともいうが、野山一面枯れ色となった景のことでもある。
【例句】
冬枯や雀のあるく樋の中
太祇「太祇句選」
冬枯れや寺門幽かに人を呼ぶ
暁台「暮雨巷句集」
冬枯の木の間のぞかん売屋敷
去来「いつを昔」
冬枯れて窓はあかるき雨夜かな
一茶「寛政句帖」
冬枯れにめらめら消ゆるわら火かな
一茶「文化句帳」
かれがれや葛の下なる木の葉石
蘭更「三傑集」
冬枯や平等院の庭の面
鬼貫「大悟物狂」
草山の綺麗に枯れてしまひけり
正岡子規「子規句集」
冬枯や泥によごれし馬が来る
佐藤紅緑「花紅柳緑」
枯れ果てて誰か火を焚く子の墓域
飯田龍太「童眸」
枯れはてて濯ぐうしろは山ばかり
飯田龍太「春の道」