年木樵(としきこり) 暮
【子季語】
節木樵/年木積む/年木売/年木山
【解説】
年内に、新しい年に使う薪を伐りだして来ること。伐り出した薪を年木といい、その山を年木山という。伐った木を里へ舟で運ぶこともあって、その舟は年木舟。薪は家裏などに積んで新年を迎えた。年用意のひとつである。
【例句】
年木樵る山のいそがし啄木
言水「歳旦三物集」
谷越に声かけ合ふや年木樵
太祇「太祇句選」
けふもけふも人のとし木を負ひに
召波「春泥発句集」
薄着して霜もいとはず年木樵
桃隣「古太白堂句選」
おとろへや小枝も捨てぬとし木樵
蕪村「蕪村句集」
年木樵る程になりたる我家かな
長谷川零余子「雑草」
年木樵木の香に染みて飯食へり
前田普羅「普羅句集」
梟の目じろぎいでぬ年木樵
芝不器男「不器男句集」