蘆の穂絮(あしのほわた) 晩秋
【子季語】
蘆の穂
【解説】
熟した蘆の花穂には長い白綿毛が生えており、風をとらえて遠くまで飛んでゆく。
【科学的見解】
蘆の標準和名は、ヨシである。ヨシは、イネ科の多年草で、日本各地の湿地や池などの水辺に普通に生育している。花は、多数の小花が小穂として集まり、円錐花序を形成する。小花は、成熟すると乾燥で付け根の冠毛は開き、花序全体が膨らんでくる。それらは、風をとらえて四方八方へ飛散していく。(藤吉正明記)
【例句】
高水や蘆の白穂に雲おこる
白雄「白雄句集」
蘆の穂に家の灯つづる野末かな
富田木歩「定本木歩句集」