春の筍(はるのたけのこ) 晩春
【子季語】
春筍
【解説】
筍は初夏が最盛期であるが、西日本では晩春に掘り採られるものがあり、これを春の筍、または春筍という。主に孟宗竹の筍であるが、柔らかく美味。香りもよく、いかにも春らしい味覚である。
【科学的見解】
筍は、竹類の新芽であるが、食用とされる竹類は、マダケ、ハチク、モウソウチク等が有名である。それらの新芽の出る時期は、種により異なり、春先に出るのはモウソウチクである。マダケとハチクの筍は、初夏から仲夏にかけて伸びてきたものが食される。モウソウチクの場合は、大型の竹類であるため、大きく育つと繊維質で硬く食べづらくなるため、なるべく小さく若いものが好まれる。そのため、春先地中にある地下茎から新芽が生長し、その先端が地表に出るか出ないかぐらいのものが掘り返されて収穫されている。(藤吉正明記)