林檎の花(りんごのはな) 晩春
【子季語】
花林檎
【解説】
現在、多く見られるのは明治初期に導入された西洋林檎。中央アジア原産、寒冷地を好むバラ科の落葉高木。晩春、ほのかに紅を帯びた白色の五弁花を傘状につける。芳香をもち、清楚な中にも艶をふくんだ凛とした美しさがある。
【科学的見解】
日本で一般的に栽培されている林檎は、セイヨウリンゴと呼ばれるもので、バラ科リンゴ属の落葉木である。明治以降に様々な品種が海外から導入され、冷温帯気候の青森県を中心に栽培が進められた。その中でも、海外品種に日本名を付けた「国光」と「紅玉」の生産量が増したが、現在では海外品種同士を交配して日本で作出された「ふじ」が日本の主流品種となっている。セイヨウリンゴの花は、白色から桃色の五枚の花弁を有し、短い枝に複数の花をつけた散形花序となる。(藤吉正明記)