郁子(むべ) 初秋
【子季語】
うべ/ときわあけび
【解説】
アケビ科トキワアケビの実。山野に自生する蔓性の木本。熟すと暗紫色になる。通草のように裂けない。果肉は甘く古くから食用、薬用に利用されてきた。
【科学的見解】
ムベは、アケビ科のつる性常緑樹木で、本州山形以南から沖縄までの山野の林縁などに生育している。近縁のアケビやミツバアケビは落葉性であるが、本種は常緑性であるため、トキワアケビという別名を持つ。葉は、小葉が三枚、五枚、七枚の三タイプ存在することから、七五三にちなんで縁起木として庭先などにも植栽されている。果実は表面が紫色で、中に多数の種子があり、その周りにあるわずかな果肉が食用とされる。(藤吉正明記)