山椒の芽(さんしょうのめ/さんせうのめ) 仲春
【子季語】
きのめ
【解説】
ミカン科落葉低木。三メートルほどになり、枝にとげが多い。芽は香気が強い。「木の芽」と称し「木の芽田楽」「木の芽あえ」「木の芽みそ」などの料理に使われる。
【科学的見解】
サンショウは、ミカン科の落葉低木であり、日本各地の平野から低山帯の林内に生育している。本種は、雄花と雌花をそれぞれ別個体に形成する雌雄異株である。近縁種としては、棘を互生につけるイヌザンショウや常緑性のフユザンショウ、大型になるカラスザンショウ等が存在する。一般的に香辛料として使用されているのは本種であり、春先に枝から芽吹いた軟らかい新葉は「木の芽」と呼ばれ、香り付けの添えとして楽しまれている。本種には、リモネンやピネン等の香気成分が多く含まれている。(藤吉正明記)
【例句】
日もすがら機織る音の山椒の芽
長谷川素逝「ふるさと」