酢漿の花(かたばみのはな)三夏
【子季語】
すいも草/こがね草/酸い物草
【解説】
カタバミ科の多年草。庭や道端などに生える。茎は細くて地を這い、葉はハート型で三枚の複葉。夏を中心に黄色い小さな花を咲かせる。茎葉ともに酸味がある。漢方薬のほか鏡や真鍮磨きに使われる。
【科学的見解】
カタバミは、日本全土で見られ、また世界の熱帯から温帯にかけて広く分布している多年草である。本種は、変異が多く、全体が赤紫色で葉が比較的小さいアカカタバミ、全体が多少赤紫色をしたウスアカカタバミ、花弁の数が多いホジザキカタバミ、全体的に毛が多いケカタバミなどに分けられている。(藤吉正明記)
【例句】
蔵のかげかたばみの花めづらしや
荷兮「笈日記」
かたばみの花雨降るとなく雀
乙二「乙二発句集」
かたばみに同じ色なる蝶々かな
村上鬼城「鬼城句集」