葛水(くずみず/くずみづ) 三夏
【解説】
葛粉に砂糖を入れて葛湯を作りそれを冷した飲み物。酒毒を消し、胃腸をととのえ、渇きを止め汗の出るのを防ぐ効能がある。
【例句】
葛水や入江の御所にまうづれば
蕪村「夜半叟句集」
宗鑑に葛水給ふ大臣かな
蕪村「蕪村句集」
葛水や鼻の下行く吉野川
宗因「橋立案内志」
葛水の臍のあたりをめぐりけり
荷兮「新華摘」
葛水や四阿へ灯を運ばしむ
原月舟「月舟俳句集」
葛水の冷たう澄みてすずろ淋し
村上鬼城「定本鬼城句集」
葛水や顔(かんばせ)青き賀茂の人
渡辺水巴「ホトトギス雑詠選集」
葛水に高足師より老いにけり
高田蝶衣「ホトトギス雑詠選集」
葛水や高麗に住むともなきゆふべ
清原枴童「ホトトギス雑詠選集」