帷子(かたびら) 晩夏
【子季語】
白帷子/染帷子/絵帷子/黄帷子/辻が花
【解説】
麻やからむしで仕立てたひとえもの。帷子とは、袷の「片ひら」のことで、裏をつけていない布のこと。風通しがいい。
【例句】
かたびらに温まり待つ日の出かな
丈草「泊船集」
帷子のねがひはやすし銭五百
支考「続猿蓑」
帷子や越路の伯母の片便り
蕪村「夜半叟句集」
かたびらや浴して来し人の貌
召波「春泥発句集」
帷子に白雲かかる山路かな
素外「松の炭」
帷子を着る日だになく老にけり
玉珂「物見塚記」
かたびらにまばゆくなりぬ広小路
梅室「梅室家集」
青空のやうな帷子きたりけり
一茶「七番日記」
帷子に草の香上る故郷かな
石井露月「露月句集」