蝦夷虫喰(えぞむしくい/えぞむしくひ) 三夏
【解説】
夏鳥として渡来し、本州以北の亜高地帯の針葉樹林に生息する、十二センチ程の小さな鳥。頭部から背面はオリーブ褐色、眉斑は白っぽく明瞭、喉から腹は白色だが脇は淡褐色。ヒーツーチヒーツーチと鋭い高い声が特徴的。
【科学的見解】
エゾムシクイは、ムシクイ科の野鳥で、夏鳥として主に本州中部以北の地域に渡来する。産卵期は六月頃で、崖の窪みや穴の奥にコケなども用いて球形の巣を作り、四個から六個産卵する。主に昆虫類を捕獲して餌としている。近縁種としては、日本に夏鳥として渡来する、メボソムシクイやセンダイムシクイなどが知られており、本種含めてそれら三種は姿や形が非常に似ている。(藤吉正明記)