便追(びんずい) 三夏
【解説】
四国以北の山地、亜高地帯の明るい林で繁殖する、十六センチほどの鳥。松林を好む。頭部から尾までの上面が緑褐色。頭部に黒褐色の細かい縦斑があり、白いはっきりした眉斑がある。チチロチチロツイツイツイツイツイビイーと早口にさえずる。ビンビンツイツイが顕著なところからビンズイの名がついた。
【科学的見解】
ビンズイは、セキレイ科の野鳥で、主に四国以北で繁殖し、冬期は本州中部以南に移動する。夏は主に昆虫等の動物質のものを餌とし、冬は主に植物の種子を食べる。営巣は地上で行い、枯草やマツ葉等を用いて椀形の巣を作る。産卵期は五月から八月で、三個から五個程度産卵する。高原で営巣することが多いため、しばしばカッコウに托卵されることがある。近縁種としては、タヒバリが知られている。(藤吉正明記)