忍(しのぶ) 三夏
【子季語】
事無草
【解説】
シノブ科の多年草。岩や老木等に着生するシダ植物。太い根茎が長く這い、長い柄を持つ葉がつく。葉は三角形で羽状に分裂し、葉裏に薄茶色の胞子が沢山つく。涼し気な葉を生かして長い根茎を形よくまとめ、軒下等に吊るし、吊り忍として観賞する。
【科学的見解】
忍(シノブ)は、北海道から沖縄の山地の樹上に生育し、沖縄のものは常緑性であるが、それ以外の地域の個体は夏緑性となる。昔から園芸目的で利用されてきたが、近年野生のものは個体数が減少している。(藤吉正明記)
【例句】
あり侘て京へ出しなしのぶうり
巣兆「雁風呂」