桔梗の芽(ききょうのめ/ききやうのめ) 初春
【解説】
桔梗はキキョウ科の多年草で、いったん枯れた株から早春に新芽 を出す。種を蒔いて出た芽は四月ころに定植する。
【科学的見解】
キキョウは、キキョウ科の多年生植物で、北海道西南部から琉球までの日当たりのよい草原に生育する。近年、野生個体は激減し、絶滅危惧種に指定されている。しかし、園芸的には種子から簡単に増やせることから、庭先や公園などでよく栽培されている。キキョウは土壌中に漢方薬の朝鮮人参に似た根茎を形成し、春先になるとそこから複数の新葉・茎を出す。その芽は、地上に出たばかりのころは薄紫色をしているが、生長とともに光合成をおこなうために緑色の色素であるクロロフィルが増大していき、薄紫色の色彩は失われていく。(藤吉正明記)