節季候(せきぞろ) 暮
【子季語】
せつきぞろ/胸叩/姥等
【解説】
年が押しつまったころにくる門付け芸人。笠の上に羊歯の葉をさし、赤い布で顔を覆って「せきぞろ、めでたい」などとと叫びながら年越しの銭を乞うた。割竹で胸をたたいたので胸叩とも呼ばれた。乞食のようなもので、凶作の時代に多く出たという。
【例句】
おどろけや念仏衆生節季候
宗因「釈教百韻]
節季候や臼こかし来て間がぬける
鬼貫「荒小田」
気にむかぬ時もあるらん節季候
来山「難波の枝折」
節季候の来れば風雅も師走かな
芭蕉「勧進牒」
節気候を雀の笑ふ出立かな
芭蕉「深川」
節気候や顔つつましき小風ろ敷
蕪村「落日庵句集」
小藪から小藪蔭がくれやせつき候
一茶「九番目記」
すさまじきうはなり声の姥等かな
仙行「類題発句集」
小原女に立交り来る姥等かな
小沢碧童「続春夏秋冬」