駒繋(こまつなぎ) 晩夏
【子季語】
こまとどめ/こまとめはぎ/うまつなぎ/金剛草
【解説】
マメ科コマツナギ属の小低木。本州、四国、九州の野原や土手など日当たりのよいところに自生する。高さは六十センチから九十センチくらい。葉は四五枚の小葉を持つ葉状複葉で互生する。七月から八月にかけて、葉腋から総状花序を出し、紅紫色の蝶形花をつける。馬をつなげるほど茎が丈夫であることからこの名がある。
【科学的見解】
コマツナギは、マメ科の草本状の低木で、本州から九州までの日当たりが良い乾燥した場所に生育する。本種は、一部の茎が横に這いながら高さ一メートルぐらいまで成長する。草のように見えるが、小低木であることから、茎は意外と丈夫である。コマツナギという名を持つ植物として、ナンバンコマツナギとタイワンコマツナギが存在する。両種は、インディゴ成分を有しているために沖縄や東南アジア付近では藍染めの材料として利用されている。日本では、沖縄地域で一部野生化しているとのことである。(藤吉正明記)