小水葱の花(こなぎのはな) 仲秋
【子季語】
子葱の花/花こなぎ/細水葱の花
【解説】
ミズアオイ科の一年草。名の由来は小形のナギ(ミズアオイ)で、水田においては根強い雑草として嫌われる。二センチくらいの紫色の花は自花受粉し、葉よりも花茎が低い。東南アジア原産で稲作に伴って渡来した帰化植物。水路などに大量発生することもある。
【科学的見解】
コナギは、ミズアオイ科の一年草で、本州から沖縄までの水田付近の湿地に生育している。葉は光沢があり、心形から長楕円形をしている。花は、六枚の紫色の花弁を持ち、葉柄の付け根に複数つける。本種は、水田内の湿り気のある環境に最も適応した種である。近縁種としては、同じ属にミズアオイが存在するが、ミズアオイは近年多くの都道府県において激減している絶滅危惧種であるため、ほとんど見かけることはない。(藤吉正明記)
【例句】
なまぐさし小葱が上の鮠の腸
芭蕉「笈日記」