綱引(つなひき) 新年
【子季語】
綱曳/縄引
【解説】
小正月(陰暦正月十五日)のころの満月の夜に行われていた年占行事。地区対抗で一本の大綱を引き合い、勝った方が豊作豊漁になるとして、その年の豊凶を占った。西日本では、盆綱引と呼ばれ、お盆のころ行われる。現在はスポーツとして運動会などで行われている。
【例句】
綱曳きや道に鳥羽絵の男皃
言水「歳旦牒」
つな引きや去年の八束穂より合せ
蓼太「蓼太句集三編」
綱曳や山三井寺の領ざかひ
冬秀「親類題発句集」
つな曳きや例のいち松とらの助
大江丸「はいかい袋]
綱ひきや羽織三つ四つ薪のうへ
茶静「乙二七部集]
綱引のうしろを吹くや松の風
嵐来「発句題叢」
綱引や双峰の神みそなはす
石井露月「露月句集」
綱太く引きも杭まぬ人数かな
小沢碧童「碧童句集」
この綱や猿田彦神引きし綱
広江八重桜「続春夏秋冬」