歌留多(かるた) 新年
【子季語】
骨牌、歌がるた、いろは歌留多、花歌留多、歌留多会
【解説】
正月遊びの一つ。読み札に合わせて座敷に並べられた札を取り合い、多く取ったものが勝ちになる。小倉百人一首やいろは歌留多などがある。
【来歴】
『遠碧軒記』(延宝3年、16753年)に所出。
【実証的見解】
歌留多の語源はポルトガル語であるが、その起源は、平安時代の貝合せであり、それが西洋のトランプのようなカード遊びと融合したと考えられる。歌留多でもっとも一般的な小倉百人一首は藤原定家が選んだ和歌百首を歌留多の札にしたためたもの。上の句五七五が読み札に書かれ、下の句七七が取り札に書かれている。読み手が上の句を読むやいなや、取り手は取り札をはねて、その早さを競い合う。いろは歌留多は「犬も歩けば棒にあたる」というような諺が読み札に書かれ、取り札には、読み札にあった絵が描かれる。
【例句】
かるた切る心はずみてとびし札
高橋淡路女「梶の葉」
胼の手も交りて歌留多賑はへり
杉田久女「杉田久女句集」
招かれて隣に更けし歌留多かな
夏目漱石「漱石俳句集」
読む歌留多月にあがりぬ路地の奥
原石鼎「原石鼎句集」
歌留多読む声のありけり谷戸の月
松本たかし「鷹」
二つ三つ歌も覚えて歌留多かな
村上鬼城「鬼城句集」
かるた切るうしろ菊の香しんと澄み
飯田龍太「涼夜」