耕(たがやし)三春
【子季語】
春耕、耕人、耕馬、耕牛、馬耕
【関連季語】
田打、畑打
【解説】
春の一番はじめの農作業。種を蒔いたり苗を植えたりする前に田畑を鋤き返すこと。昔は牛、馬をよく使ったが、近年はトラクターなど機械化されている。北国は雪解けを待ってする作業のため、春の感がひとしおである。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【例句】
ふり上る鍬の光や春の野ら
杉風「杉風句集」
耕や鳥さへ啼かぬ山かげに
蕪村「続明烏」
耕や五石の粟(ぞく)のあるじ皃(がほ)
蕪村「蕪村句集」
耕すやむかし右京の土の艶
太祗「太祗句選」
耕に馬持る身のうれしさよ
召波「春泥発句集」
耕すや世をすて人の軒端迄
大魯「仏の座」
耕して神と佛につかへけり
思桂「ホトトギス」
墓地買うて猶葬らず耕しぬ
中塚一碧楼「はかぐら」