桜草(さくらそう、さくらさう) 晩春
【子季語】
プリムラ、常盤桜、乙女桜、雛桜、化粧桜、一花桜、
【解説】
楼桜サクラソウ科に属する日本原産の多年草。現在、園芸品種が多数あるが、江戸時代にも武士階級で流行。花は淡紅色、紅紫色。花びらは筒状の先が五つに大きく裂け、さらにそれぞれの先が二つに割れてサクラに似ている。
【科学的見解】
桜草(サクラソウ)は、北海道南部から九州にかけて分布し、山麓や川岸の湿り気の多い野原に生育する。現在、野生のサクラソウは、全国的に個体数を減少させており、絶滅危惧種に指定されている。荒川流域の田島ヶ原のサクラソウ群落は、特別天然記念物として保護されている。(藤吉正明記)
【例句】
我国は草もさくらを咲きにけり
一茶「文政版句集」
我蔭に桜草ある鮮かさ
篠原温亭「温亭句集」
まのあたり天降りし蝶や桜草
芝不器男「不器男句集」