夜の秋(よるのあき)晩夏
【解説】
夏の終り頃、夜になると涼しく何となく秋めいた感じのすることが
ある。立秋も近く去りゆく夏に一抹の寂しさを感じたりする。
【例句】
玉虫の活きるかひなき夜の秋
暁台「暁台遺稿」
俳諧の寝物語や夜の秋
赤星水竹居「雑詠選集」
片よせて宵寝の雨戸夜の秋
石橋秀野「桜濃く」
家かげをゆくひとほそき夜の秋
臼田亜浪「旅人」
尽炷の余香ほのかや夜の秋
日野草城「花氷」
凭り馴れて句作柱や夜の秋
松本たかし「たかし句集」
灯の下の波がひらりと夜の秋
飯田龍太「童眸」
石鹸のにほえる娘夜の秋
長谷川櫂「蓬莱」