団扇(うちわ、うちは)三夏
【子季語】
団、白団扇、絵団扇、絹団扇、渋団扇、水団扇、京団扇、奈良団扇、古団扇、団扇売
【関連季語】
扇
【解説】
夏、あおいで風を起こし涼を得る道具。竹の骨に紙を張り、柄を取り付けたもの。絵をほどこしたものは絵団扇。焚物の火を盛んにしたり、蚊や蝿を追うなど用途はさまざま。開閉自在の扇が平安時代に日本で考案されるまでは、扇といえば団扇のこと。江戸時代には「団」とも書いた。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
団扇もてあふがん人のうしろつき
芭蕉「笈日記」
絵団のそれも清十郎にお夏かな
蕪村「蕪村句集」
手すさびの団画ん草の汁
蕪村「蕪村句集」
あふぎつつひとの子誉むる団かな
几菫「晋明集二稿」
蚊帳の中団扇しきりに動きけり
杉田久女「杉田久女句集」
君来ねば柱にかけし団扇かな
村上鬼城「鬼城句集」
奈良団扇すなはち白を選びけり
長谷川櫂「蓬莱」