虫干(むしぼし) 晩夏
【子季語】
虫払ひ、土用干、曝書、書を曝す、曝涼、風入れ
【関連季語】
土用
【解説】
夏の土用の頃、晴天の日をえらんで、衣類や書物を干したり、風に当てたりすること。黴や虫などの害を防ぐ。書物を曝すことを曝書という。寺社の宝物などの虫干しはお風入などともいう。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
罪ふかき女めでたし土用干
鬼貫「真蹟」
無き人の小袖も今や土用干
芭蕉「猿蓑」
龍宮もけふの塩路や土用干
芭蕉「六百番俳諧発句合」
鎧着てつかれためさん土用干
去来「続虚栗」
かけたらぬ女心や土用干し
千代女「古人筆俳句帳」
虫干しや甥の僧訪ふ東大寺
蕪村「蕪村句集」
政宗の眼もあらん土用干
正岡子規「寒山落木」
虫干や千畳敷を大般若
藤野古白「古白遺稿」
母の刀自この世にありて土用干
長谷川櫂「天球」