打水(うちみず、うちみづ)三夏
【子季語】
水撒き、水打つ
【解説】
暑さを和らげて涼を得るため、あるいは埃を沈めるため庭や路地、玄関、店先に散水すること。また、その水をいう。子供にとって夏休みの夕方に庭に水を撒くことはとても楽しい仕事である。
【来歴】
『四季名寄』(天保7年、1836年)に所出。
【例句】
打ち水に残る涼みや梅の中
丈草「篇突」
打水や挑灯しらむ朝参り
一茶「享和句帖」
うち水や水のくぼみに朝の月
其程「雪つくし」
水打てば夏蝶そこに生れけり
高浜虚子 「六百句」
水打つて四神に畏る足の跡
原石鼎「花影」
立山のかぶさる町や水を打つ
前田普羅「普羅句集」
忘れたきことゝ一途に水を打つ
星野立子「笹目」
水打つて小路の奥に東山
長谷川櫂「蓬莱」