納涼(すずみ) 晩夏
【子季語】
涼む、門涼み、橋涼み、涼み舟、納涼船、宵涼み、夕涼み、夜涼み
【関連季語】
端居
【解説】
夏、縁側や庭先、橋の上、舟など風が来るところで涼を求めること。縁台で将棋をさしたり、夜店をのぞいたりするのも納涼の風景である。とくに夕風に当たることを夕涼みという。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【文学での言及】
聞くにさへ涼しくなりぬ若松のもりの梢の風のしらべは 源顕仲『永久四年百首』
【例句】
京酒に一月はやき涼みかな
来山「津の玉柏」
あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ
芭蕉「奥の細道」
命なりわづかの笠の下涼み
芭蕉「江戸広小路」
飯あふぐかゝが馳走や夕涼
芭蕉「笈日記」
夕すヾみあぶなき石にのぼりけり
野坡「炭俵」
板塀に鼻のつかへる涼みかな
一茶「文化句帖」
涼み居て闇に髪干す女かな
召波「五車反古」
僧一人水かみへ行くすずみかな
麦水「葛箒」
涼みけり実のまだ青き梨のもと
森鴎外「うた日記」
肌のものほのかに白し夕涼み
長谷川櫂「松島」