火取虫(ひとりむし)三夏
【子季語】
灯取虫、火入虫、灯虫、火虫、火蛾、灯蛾、燭蛾、火取蛾、
【関連季語】
蛾
【解説】
夏の夜、灯火に集まってくる虫のこと。蛾などが鱗粉をまきちらしながら街灯や誘蛾灯、室内の電灯などに飛んでくるさまは夏ならではの光景である。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【例句】
電のさそひ出してや火とり蟲
丈草「丈草発句集」
夕立にこまりて来ぬか火とり蟲
正秀「初便」
筆とめて打払ひけり火とり蟲
闌更「半化坊発句集」
火蛾舞ふや真白の眉をふりかぶり
長谷川櫂「新年」