【子季語】
桜若葉、花は葉に
【解説】
初夏、花が散って若葉となったころの桜をいう。花が散って葉桜になってしまったという惜しむ思いと、桜若葉の美しさを愛でる思いが交錯する季語である。【子季語】の「花は葉に」は、葉桜を眺めながらも散り果てた花を忍ぶ思いがある。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【例句】
葉ざくらや南良に二日の泊り客
蕪村「新花摘」
葉桜や碁気になりゆく南良の京
蕪村「蕪村遺稿」
葉桜や蓑きて通ふ湯治客
前田普羅 「飛騨紬」
葉桜や雪より白き吉野葛
長谷川櫂「初雁」
葉桜のまぶしき雨を仰ぎけり
高田正子「花実」