大文字(だいもんじ) 初秋
【子季語】
大文字の火、妙法の火、船形の火、左大文字、鳥居形の火、 五山送り火、施火
【関連季語】
盂蘭盆会、送り火
【解説】
盂蘭盆会の送り火で京都の盆行事の一つ。八月十六日の夜に行われる。東山如意が岳中腹に灯る「大文字」の火をいう。続いて北や西の山々に「妙」、「法」、「船形」、「左大文字」、「鳥居形」と次々に点火され、三十分ほど京の夜空に赤々と浮かび上がる。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【例句】
山の端に残る暑さや大文字
宋屋「瓢箪集」
大もんや左にくらき比えの山
蝶夢「根寝発句集」
銀閣に浪華の人や大文字
蕪村「夜半叟句集」
大文字やあふみの空もただならね
蕪村「蕪村句集」
經を焼く火の尊さや秋の風
嵐雪「杜撰集」
ともす火の光や妙の一字より
何有「新類題」
送り火の法も消えたり妙も消ゆ
森澄雄「浮鷗」
今宵きて京に一夜や大文字
長谷川櫂「初雁」