立秋(りっしゅう、りつしう) 初秋
【子季語】
秋立つ、秋来る、秋に入る、今朝の秋、今日の秋
【解説】
二十四節気の一つ。文字どおり、秋立つ日であり、四季の節目となる「四立」(立春、立夏、立秋、立冬)の一つ。この日から立冬の前日までが秋である。新暦の八月七日ころにあたる。実際には一年で一番暑いころであるが、朝夕の風音にふと秋の気配を感じるころでもある。
【文学での言及】
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる 藤原敏行『古今集』
【実証的見解】
二十四節気の一つで、新暦では八月八日ころにあたる。この日から立冬の前日までが秋になる。立秋は、一日だけではなく、処暑の前日までの約十五日間をさす。立秋の始まる日は「節入りの日」と呼ばれる。
【例句】
はりぬきの猫もしる也今朝の秋
芭蕉「書留」
秋たつやはじかみ漬もすみきつて
来山「今宮草」
そよりともせいで秋たつ事かいの
鬼貫「七草」
弓張りのちらりと見えて秋立ちぬ
許六「正風彦根田躰」
秋たつや白湯香ばしき施薬院
蕪村「蕪村句集」
秋たつや何におどろく陰陽師
蕪村「蕪村句集」
秋たつや宵の蚊やりの露じめり
几董「井華集」
初秋の大きな富士に対しけり
星野立子「句日記Ⅱ」
けさ秋の伊豆のみえたる机かな
長谷川櫂「蓬莱」