新涼(しんりょう、しんりやう) 初秋
【子季語】
新たに涼し、初めて涼し、秋涼し、秋涼、涼新た、初涼、早涼
【解説】
秋に入ってから感じる涼しさのこと。「涼し」だけでは、夏の季語となる。夏の暑さの中で感じられる涼しさではなく、「涼しく過ごしやすい季節」になってきたことをいう。
【来歴】
『俳諧御傘』(慶安4年、1651年)に所出。
【文学での言及】
秋来ぬと思ひもあへぬ朝けよりはじめて涼しせみのはごろも 花園院『新拾遺集』
【例句】
秋涼し手毎にむけや瓜茄子
芭蕉「奥の細道」
秋涼し蘭をもつれの解るほど
野坡「野坡吟艸」
新涼や寺町かけて人通り
松瀬青々「妻木」
新涼や豆腐驚く唐辛子
前田普羅「普羅句集」
新涼やおきてすぐ書く文一つ
星野立子「春雷」
新涼やはらりと取れし本の帯
長谷川櫂「虚空」