秋晴(あきばれ)三秋
【子季語】
秋の晴、秋晴る
【関連季語】
秋日和
【解説】
晴れわたる秋の天気のこと。秋日和と同じことであるが、秋晴は秋日和より言葉の響きがやや強い。
【実証的見解】
秋は、大陸からの移動性高気圧と低気圧が交互に日本に訪れる。そのため、三日ほどの周期で天気が変わる。低気圧がもたらす雨は、大気中の塵を洗い流すように落すので、入れ替わりにやって来る高気圧のもとでは、澄み渡った爽やかな天気となる。
【例句】
秋晴れて凌雲閣の人小さし
正岡子規「子規句集」
ほのかなる空の匂ひや秋の晴
高浜虚子 「七百五十句」
秋晴や遠く遊べる宮の鳩
巌谷小波「さゝら波」
空に散る焚火の灰や秋の晴
岡本松浜「新春夏秋冬」
秋晴の茅舎訪へばよろこべり
星野立子「立子句集」
秋晴や佐渡一国は波の上
長谷川櫂「初雁」
秋晴れて動くもの無きこの世かな
高田正子「玩具」