花筏(はないかだ) 晩春
【子季語】
ままつこ
【解説】
ミズキ科ハナイカダ属の落葉低木。本州、四国、九州の山地に自生し、高さは二メートルくらいになる。葉は長さ十センチほどの楕円形で互生する。晩春、葉の表面の葉脈に緑色の小さな四弁の花をつける。雄花は四、五個固まって咲き、雌花は一つだけ咲く。
【科学的見解】
ハナイカダは、北海道南部から九州まで分布している。花は、葉の中央につき、雄花と雌花をそれぞれ別個体に形成する雌雄異株の植物である。開花後、雌株のみに果実のが残り、葉の中央に黒い実を一つ熟す。近縁の変種や亜種として、コバノハナイカダやリュウキュウハナイカダが存在する。(藤吉正明記)